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犬用の車椅子(犬用歩行器)で椎間板ヘルニアや股関節形成不全など、交通事故や老犬が原因で歩行障害がある愛犬が元気に走り回ります

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股関節形成不全

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病気辞書:2009年7月17日(金)更新

股関節形成不全の概説

股関節形成不全とは、「股関節寛骨臼の発育不全・変形、大腿骨頭の変形・偏平化による股関節の弛緩」のことです。簡単な言葉で言い換えると、体と後足をつなぐ最も重要な股関節部分に緩みと変形が生じ、痛みのために犬が自分の体重を支えきれなくなり、歩けなくなってしまう病気のことです。

現在までのところ本症の根本的要因については明らかになっていませんが、発症の70%は遺伝的要因で、30%は栄養過多による肥満やストレスといった後天的要因といわれています。

遺伝的に股関節の凹みが浅い骨格に発症しますが、その多くが急激な骨の成長に筋肉の成長が追いつかなくなることで起こります。骨と筋肉の成長にアンバランスが生じると股関節は不安定になり、大腿骨の先端である骨頭が股関節の凹みにしっかりはまらなくなるため、股関節は常に亜脱臼の状態になってしまいます。

ワンちゃんは生後4ヵ月から1年未満の成長期には骨格が急成長します。このため、股関節形成不全の犬は骨と筋肉のバランスがとれず、関節の緩みが生じることで関節炎となり、痛みを感じます。

骨格の形成がほぼ終了する1.5歳前後になると関節の緩みが少なくなり、関節が安定化してきます。これにより痛みがなくなり、症状が消失します。症状が消失すると飼主は安心して関節に対するケアをしなくなる傾向にありますが、この時期も治療は必要です。一番大切なのは体重のコントロールです。この時期に体重のコントロールができるかできないかで、この後の症状がまったく違ってきます。

また、変形性関節疾患という病態がありますが、これは股関節形成不全の二次的な病態です。股関節形成不全が原因でおこる関節炎が進行し、関節が変形することにより発症します。変形性関節疾患は進行性の病気であり何もしないとどんどん悪化します。変形性関節疾患になると完治は難しくなります。

股関節形成不全に特に注意したい犬種

大型犬や超大型犬に多く見られます。

レトリバー種、スパニエル種、セッター種、ジャーマン・シェパード・ドッグ、ドーベルマン・ピンシャー、バーニーズ・マウンテン・ドッグ、ニューファンドランド 、マスティフ、グレート・ピレニーズ、などの犬種

特に日本では、近年人気が高く大量の繁殖が見られた、ゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーの発症率が高く、約半数に症状が見られるということです。

このような犬種に対しては、肥満は足腰に大きな負担を与えるため、発症予防のためにも肥満にさせないことが重要です。特に1歳までに太らせると関節の形成に大きな影響を与えるため注意が必要です。

症状、歩行・走行能力への影響

この病気の症状としては、軽い場合には見た目にはわかりませんが、ひどい場合には歩けなくなります。

具体的には、股関節の痛みによる様々な程度の後肢の跛行(脚を引きずること)、そして長時間の散歩を嫌うような運動不耐性を示します。 また、特徴的な症状として、歩行時に臀部が左右に大きく揺れるような歩き方をしたり、またゆっくりと走らせた場合に、うさぎ跳びのような歩調で走行することがあります。さらに、寝ている状態から起き上がるのが困難になり、運動をいやがる、階段の上り下りができなくなる、立ち上がるのが困難になる、頭を下向き加減にして歩く、じっとしている時にも脚を投げ出して座るなどの異常な姿勢をすることがあります。

しかし、罹患しているワンちゃんの全てが明らかな臨床症状を示しているわけではなく、生後2ヵ月で兆候が現れる重症なワンちゃんもいれば、生後7年が経過した後で突然症状が出るケースもあるので、注意深く愛犬を観察する事が大事です。 また、肥満は足腰に大きな負担を与えるため、発症予防のためにも肥満にさせないことが重要です。特に1歳までに太らせると関節の形成に大きな影響を与えるため注意が必要です。

治療方法・リハビリ方法

一度発症すると、完全に正常な関節には回復できません。関節の軟骨は一度損傷を受けると、元通りの正常な状態には回復しないためです。

@早期発見と早期治療が基本です。
A痛みや症状の軽減、生活の質の向上、関節炎の進行速度を遅くする治療法が重要になります。
B肥満が関節炎を悪化させる大きな要因です。そのため、適正な体重に維持する必要があります。


すなわち、できるだけ病状を悪化させないよう、体重のコントロール、適度な運動制限、鎮痛剤や消炎剤の投与による痛みのコントロールなどが必要となります。筋肉を付けることも重要ですが、股関節に炎症が起こりやすい状態のまま、そのままの状態で運動量を増やすことは望ましくありません。たとえ股関節形成不全であろうとも、愛犬自身が痛みを感じずに日常生活に支障が出ない生活が可能であれば、あえて手術をする必要もなく、長く通常の生活を楽しめる可能性も十分にあります。過多栄養など食生活の改善やサプリメントの活用、内服薬などで病気の進行を抑えることができない場合は、外科手術が適用となりますが、愛犬の年齢や病気の状態によって方法が異なってきます。

また、激しいスポーツやジャンプなどがこの病症には良くない一方で、毎日の適度な運動は必須です。最適な運動方法は、車椅子を使った散歩です(カートセラピーとも言います)。この方法であれば、長時間の散歩を嫌がるワンちゃんでも、体に負担を掛けずに痛みを感じることなく、相応量の運動を行なうことができます。使う車椅子は、K-9社の車椅子が最適です。




(参考文献)
・獣医臨床シリーズ 2000年度版 Vol.28/No.1 サウンダース小動物臨床マニュアル 長谷川篤彦 監訳 (文永堂出版)
・THE ENCYCLOPEDIA of the DOG 犬種大図鑑 ブルース・フォーグル著  監修 福山英也 (ペットライフ社)

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