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犬用の車椅子(犬用歩行器)で椎間板ヘルニアや股関節形成不全など、交通事故や老犬が原因で歩行障害がある愛犬が元気に走り回ります

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その他の関節障害(1)

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病気辞書:2009年7月17日(金)更新

肘関節形成不全

【肘関節形成不全の概説】

肘関節形成不全は大型犬種あるいは超大型犬種での前肢跛行の原因となる遺伝性整形外科疾患です。急速に成長する時期の子犬で跛行を起こすことがあります。また、発症が最も起こりやすいのは5〜9ヵ月齢前後です。そのため、その時期の前肢の跛行には要注意です。結果として二次性の肘関節の関節炎に進行し、成犬時に重度の跛行の原因となります。

肘関節と言う関節は、上腕骨、橈骨、そして尺骨という三本の骨の関節面が適合するような型で成立しています。したがって、これらの骨の成長過程において、それぞれの骨の成長速度やバランスが崩れた場合、関節面のいずれかの箇所に構造的異常が生じてしまうことがあります。その場合の障害には、肘突起癒合不全、内側あるいは外側鈎状突起分離、上腕骨内側上顆関節面の離断性骨軟骨症等があります。


【肘関節形成不全に特に注意したい犬種】

大型犬や超大型犬に多く見られます。

ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー、バーニーズ・マウンテン・ドッグ、ニューファンドランド、チャウ・チャウ、 セント・バーナード、ジャーマン・シェパード・ドッグ、ロットワイラー、などの犬種

各犬種での発症率ですが、ロットワイラー(46%)、バーニーズ・マウンテン・ドッグ (40%)、セント・バーナード(30%)、ジャーマン・シェパード(19%)、ゴールデン・レトリバー(19%)、ラブラドール・レトリバー(15%)、で発症していたという報告があります。

また、跛行を示す例は氷山の一角であり、症状の出ていない90頭のバーニーズ・マウンテン・ドッグを調査したところ、 正常 49%、軽度の関節炎 26%、中程度の関節炎 16%、重度の関節炎 9%という報告もあります。


【症状、歩行・走行能力への影響】

50%以上の症例では両側性(すなわち、右側と左側の両方の肘関節)に罹患します。両側性の場合には明白な跛行ではなく前肢の歩様がぎこちなくなることもあります。肘関節の関節炎になると、関節液の増量、前肢跛行、可動域減少(完全に肘が伸ばしたり曲げたり出来なくなる)などの症状が現れます。


【治療方法・リハビリ方法】

一度発症すると、完全に正常な関節には回復できません。関節の軟骨は一度損傷を受けると、元通りの正常な状態には回復しないためです。

@早期発見と早期治療が基本です。
A痛みや症状の軽減、生活の質の向上、関節炎の進行速度を遅くする治療法が重要になります。
B肥満が関節炎を悪化させる大きな要因です。そのため、適正な体重に維持する必要があります。


すなわち、できるだけ病状を悪化させないよう、体重のコントロール、適度な運動制限、鎮痛剤や消炎剤の投与による痛みのコントロールなどが必要となります。筋肉を付けることも重要ですが、肘関節に炎症が起こりやすい状態のまま、そのままの状態で運動量を増やすことは望ましくありません。たとえ肘関節形成不全であろうとも、愛犬自身が痛みを感じずに日常生活に支障が出ない生活が可能であれば、あえて手術をする必要もなく、長く通常の生活を楽しめる可能性も十分にあります。過多栄養など食生活の改善やサプリメントの活用、内服薬などで病気の進行を抑えることができない場合は、外科手術が適用となりますが、愛犬の年齢や病気の状態によって方法が異なってきます。

また、激しいスポーツやジャンプなどがこの病症には良くない一方で、毎日の適度な運動は必須です。最適な運動方法は、車椅子を使った散歩です(カートセラピーとも言います)。この方法であれば、長時間の散歩を嫌がるワンちゃんでも、体に負担を掛けずに痛みを感じることなく、相応量の運動を行なうことができます。使う車椅子は、K-9社の車椅子が最適です。




離断性骨軟骨症

【離断性骨軟骨症の概説】

離断性骨軟骨症は成長期の大型犬に多く見られる関節疾患です。肩、肘、くるぶし、膝などの関節を構成する軟骨の形成が損なわれるために関節表面がゆがんだり、関節軟骨の一部がはがれて関節内に遊離することで関節内に炎症を生じて退行性関節症を引き起こす疾患です。

この病気に罹ると、まず6〜9ヶ月齢くらいの時期に歩き方がおかしくなり、これが数週間または数ヶ月続くことがあります。はっきりした原因はまだ判っていませんが、関節の軟骨の深い層に発育異常が起きると症状が出始めると考えられています。痛みを和らげ安静にすることで、ほとんどの場合この病気は完治します。

また、類似の症例ですが、肥大性骨異栄養症という病気があります。これは、大型犬種の若い(生後3〜7ヶ月)犬がかかる原因不明の骨の病気で稀に発生します。前腕や前肢の関節付近の骨が太くなり、そのほかには、歩き方がおかしくなったり、熱が出たり、無意識状態が長く続いたり、食欲がなくなったりするような症状が現れることがあります。重症の場合は、肢が変形してしまいます。肥大性骨異栄養症になった犬のほとんどは回復します。高熱には注意が必要です。


【離断性骨軟骨症に特に注意したい犬種】

大型犬や超大型犬に多く見られます。

セッター種、バーニーズ・マウンテン・ドッグ、ニューファンドランド、セント・バーナード、グレート・デーン、などの犬種


【症状、歩行・走行能力への影響】

この疾患は主に肩、肘、膝、踵の関節に発症します。この疾患が起こると関節が腫れ、痛みのために跛行をします。関節の可動域は減少するのが身体検査で明らかです。この疾患は複数の関節に同時発症することがよくあります。


【治療方法・リハビリ方法】

この疾患の治療法は早期に診断して異常な関節軟骨を除去することです。薬剤などでは治せません。診断が遅れ、退行性関節症が進むと手術の効果がなくなってしまいます。

離断性骨軟骨症の予後はどの関節に起こったものか、病変部はどれくらいの大きさか、どれだけ早期に治療を開始したかなどの因子によって変わってきます。肩の離断性骨軟骨症は比較的予後が良く、早期に手術すれば、ほとんどの患者が正常な生活に戻れます。肘と膝の離断性骨軟骨症の予後は、いかに早期に外科的治療をするかにかかっています。踵の離断性骨軟骨症の多くは外科的治療をしても一時的に痛みの軽減が見られることがありますが、最終的には退行性関節症が進んでしまうことがよくあります。

また、激しいスポーツやジャンプなどがこの病症には良くない一方で、毎日の適度な運動は必須です。最適な運動方法は、車椅子を使った散歩です(カートセラピーとも言います)。この方法であれば、長時間の散歩を嫌がるワンちゃんでも、体に負担を掛けずに痛みを感じることなく、相応量の運動を行なうことができます。使う車椅子は、K-9社の車椅子が最適です。

術後は、全体的な回復状況によってご判断いただきたいのですが、発症した肢を含めて四肢全体の筋力が弱まっているため、可能な限り早い段階でのリハビリを開始して下さい。最適な方法は車椅子を使ったカートセラピーです。




(参考文献)
・獣医臨床シリーズ 2000年度版 Vol.28/No.1 サウンダース小動物臨床マニュアル 長谷川篤彦 監訳 (文永堂出版)
・THE ENCYCLOPEDIA of the DOG 犬種大図鑑 ブルース・フォーグル著  監修 福山英也 (ペットライフ社)

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